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■『ファクトリア』お客様に聞く – 仲野産業

仲野産業株式会社 常務取締役 山田大二郎氏に、新工場の建設をタカヤに依頼した経緯やそのご感想をお聞きしました。

(仲野産業株式会社について)

昭和52年設立。日本有数のれんこんの産地、徳島県でれんこんをはじめとした根菜の業務用加工を3代にわたって営んできました。また、鳴門市でれんこんを含む地元の新鮮な食材をふんだんに使ったヘルシーな創作メニューを提供する「れんまるカフェ」を経営するなど、幅広い事業展開で特産物の美味しさを発信しています。

■ 地場産業を支える老舗野菜加工工場。老朽化で震災への不安やHACCP対応が課題に

− はじめに、御社の歴史について教えてください。

仲野産業は、私の母方の祖父が昭和52年に設立しました。代々、米や野菜を作っていた家系でしたが、祖父が親しかった地域のJA関係者から『徳島で収穫されるれんこんのなかで、味は一級品でも少し傷が入っただけで市場に出荷できないものがたくさんあり、それを農家さんが泣く泣く自分たちの足で踏み倒している』という状況を相談されたそうです。

大切に育てられた農作物が無駄になっていることに問題意識を感じた祖父が、傷モノの野菜を有効活用するために加工工場を立ち上げたのが仲野産業の起源です。現在は50軒以上の農家さんかられんこんをはじめとした野菜を仕入れ、さまざまな加工商品にして出荷しています。

− 地場産業に多大な貢献をされているのですね。

出荷先は主に珍味問屋を通じスーパー・デパート・旅館やホテルなど、多岐に渡ります。学校給食でも使用されていて、捨てられるはずの野菜が全国の子ども達の成長を支えているというのはとても喜ばしいことです。

− 加工工場の新設を検討された理由を教えてください。

創業時に建設した旧工場は40年以上の時を経て老朽化が進んでいました。天井には以前使われていたホイスト(荷の巻き上げ・巻き下げを行う機械)が錆びれたまま吊り下がっていて、今後発生が懸念される南海トラフ地震を想定し、従業員の安全を考えると非常に不安な状態でした。

また、HACCPへの対応についても、特に大手の取引先からは求められるようになっていました。義務化が進んでいった場合、工場がHACCPの衛生管理基準を満たした環境でないと、いずれ商品の出荷ができなくなってしまいます。今後の経営を考えたとき、早急に震災に耐え得る強度とHACCPを念頭に置いた設計を両立した新たな工場を建てる必要がありました。

■ 見学会で他社の施工事例を視察。ファクトリアは「自分たちの理想を超える設計だった」

− 施工業者を選ぶ際、どのようにタカヤのファクトリアを知りましたか?

2018年にタカヤさんから届いたダイレクトメールでファクトリアのことを知りました。興味をもち、ファクトリアの建設事例を知るために、愛媛県宇和島市にある安岡蒲鉾さんの水産加工工場の見学会に参加させていただきました。

− 検討された結果、タカヤのファクトリアを選んだ理由をお聞かせください。

やはり安岡蒲鉾さんの工場見学が大きな決め手になりました。旧工場と新工場の両方を視察させていただきましたが、老朽化した旧工場の状態がまさに自社の状況と重なると同時に、新工場は自分たちの理想を超える設計でした。

それに、タカヤさんは岩手県に本社を構える企業として、東北で施工されたいくつもの工場が、あの東日本大震災を耐え抜いたという確かな実績もあります。
決め手のひとつは「安岡蒲鉾」の社長さんや専務さんの感想です。「タカヤさんは、とても誠実で、特に『アフターフォロー』が素晴らしくどんな小さな事でも素早く対応してくれます。完成後の満足度はほぼ100点に近い」とおっしゃっていた事が印象に残っています。
また、HACCP対応に特化した工場の施工実績も豊富で、準拠すべきポイントも丁寧にご説明いただき、安心してお願いする事にしました。

− 見学された安岡蒲鉾さんはかまぼこの製造工場です。タカヤは水産加工品の工場の施工を得意としており実績も多いですが、貴社のような野菜加工工場を手掛けた経験はそれほどありませんでした。率直なところ、その点で不安はありませんでしたか?

むしろ「水産加工工場の実績が豊富だからこそ安心できた」という思いが強かったです。というのも、れんこんの加工工程では非常に多くの水を使用します。そのため、水を効率的に使い、環境に配慮して適切に排水処理できる仕組みが求められます。野菜加工工場の建設に特化した業者さんでも、れんこんの加工に必要な水量を想定した設計ができるところはおそらく限られるでしょう。

水産加工では野菜の加工よりも遥かに多い量の水を使用するはずです。なおかつ、塩分濃度の高い水を適切に排水処理しなければなりません。そうした水産加工現場のニーズに合わせた工場を数々施工してきたタカヤさんなら、お任せして間違いないだろうと思いました。

■ 議論を重ねて動線を検討。県内で初めてHACCP補助金も活用

− 2020年6月に土地をご契約されてから本格的にスタートした貴社の新工場建設プロジェクトについて、設計や施工のプロセスで印象に残っていることはありますか?

工場エリアの動線にはとにかくこだわり、タカヤの設計士の方と何度もやりとりをさせていただきました。当社では、大きく分けて2種類の加工品を製造しています。1つはれんこんの水煮、酢漬け、味付けといった惣菜商品、もう1つは、れんこんを使用した冷凍商品。この業種の違う2種類の加工品をそれぞれ別のラインで効率的かつHACCP基準を満たした環境で製造できるように、作業動線を検討しました。

また、今回のプロジェクトでは徳島県で初めて農水省の海外輸出HACCP補助金を活用し、自社資金の投入を抑えることができました。他県でHACCP補助金を活用した施工実績があったタカヤさんからアドバイスをいただき、コンサルタントの方にも入っていただきながらスムーズに申請を進めることができたのも印象的なエピソードです。

■ 想いの詰まった新工場が完成。徳島れんこんの魅力を全国から世界へ

− 2023年の8月に竣工して10ヶ月ほど経ちましたが、新工場に対するご感想をお聞かせください。

なんといってもこだわり抜いた1階の加工エリアが新工場の自慢です。原料の荷受けを1箇所にすることで外部と接触する汚染区域を最小限にし、そこから原料保管冷蔵庫と一時保管冷蔵庫を挟んで冷凍商品の製造ラインと惣菜商品の製造ラインが分かれていきます。

原料受け入れ場所にはHACCP基準に対応したインターロック式シートシャッターを採用

各製造ラインは一方通行の製造動線で、下処理や加工、調理、包装が行われ、完成した商品は1箇所の出荷室から出荷されるため、HACCP基準を満たしながらスムーズな作業が可能になりました。

各製造工程で部屋が分かれることにより、従業員同士の連携が取りづらくなることも想定し、製造ラインの各所に内線電話を配置。細やかな配慮で課題をクリアしました。

広々と清潔な製造ラインの一室

サニタリーを2ヵ所設け、清潔な作業環境を維持できる設計

また、冷凍商品と惣菜商品の製造ラインを分けるために必要な空間を有効利用し見学窓を取り付け、見学通路を設けました。これは、地域の幼稚園や学校の子どもさんや、野菜を出荷されている契約農家の方に向けた見学会などで活用できます。地場産業の魅力発信や、地域貢献を目指す当社にとって、この見学通路はその可能性を広げる大切な道になるでしょう。

冷凍商品と惣菜商品の製造ラインの間に設けられた見学通路

− 懸念されていた使用水の処理効率についてはいかがでしょうか。

水の循環装置を導入して、殺菌時に使用した水をクーリングタワーで循環させ冷却時に冷却水として再利用することで排水量を抑え、且つ、排水量をチェックし、誰でも目が通せるように見える化にしたり、無駄な使用があれば従業員に直接指導したりすることで、排水量を旧工場の約半分に抑えられるようになりました。コストメリットは非常に大きく、今後運用が安定してくれば更なる使用水の削減が期待できます。

− 特に従業員の方から評判の良いスペースはありますか?

2階の食堂休憩室はとても心地よい空間で従業員から愛されています。旧工場の休憩室はとても狭く、資材も置いてあったので、従業員は車のなかや、一度帰宅して昼食をとっていました。新しい休憩室は横になれる小上がりもあるので、ゆっくり休めますし、キッチンで料理もできます。

正直なところ、設計段階で私は1階の加工エリアの設計に全神経を集中させていたので、2階のことはタカヤさんに丸投げでした(笑)インテリアコーディネーターの方が照明や家具、壁紙などの一つひとつにこだわり、落ち着ける空間にしていただいたので、お任せしてよかったと思っています。

2階の食堂休憩室。小上がりの壁紙は夕方の空を想起させる淡色のグラデーションで、安らぎの空間を演出

− 1階の玄関もとても印象的ですね。

玄関にはこだわり、当社の原点とも言えるれんこん畑の写真を壁一面にデザインしていただきました。太陽に向かって大きく広がるれんこんの葉を見るたびに、仕事への活力が湧き上がってきます。この玄関は、徳島の大地や生産者の方への感謝を忘れず、我々も地に深く根を張っていこうという想いを象徴する場所です。

1階玄関。マットも仲野産業のロゴをデザインした特注品

− 最後に、改めて新工場へのご感想や、工場の建設を検討している企業経営者の方に向けてアドバイスがあればお聞かせください。

タカヤの皆さんは、対話を惜しまず、何度も何度も話をして我々の要望に耳を傾けてくれました。その関係性は竣工後も続いており、今では家族ぐるみのようなお付き合いをさせていただいています。

歴史ある工場を新しくすることは、仲野産業の今後の事業経営を左右する重大なプロジェクトでした。その想いを共有し、一緒に同じ気持ちで取り組んでいただいたことには感謝しかありません。おかげで新工場完成後お取引先様の件数も徐々に増えつつあります。

現在は、ISO 22000(食品の安全性を確保するためのマネジメントシステムの国際規格)の認証に向け、管理者の勉強会や従業員の教育訓練を実施しています。新工場を有効に活用して国際的な食品安全基準にも対応し、徳島のれんこんをはじめとした特産の魅力を、日本全国だけでなく世界に発信していきたいです。

HACCP認証をはじめ、今後益々、求められていく高い衛生管理基準の要件を満たした工場の新設を考えている企業様は、ぜひ一度タカヤさんに相談してみてはいかがでしょうか。私が心から自信をもっておすすめする業者さんです!要件が漠然とした状態からでも、親身になって話を聞いていただけます。

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