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工場建設・工場建築のファクトリアTOP > お客様の声一覧 > お客様の声 与助丸商店

■『ファクトリア』お客様に聞く – 与助丸商店

有限会社 与助丸商店 代表取締役社長 小川 伸二 氏に、新工場の建設をタカヤに依頼した経緯とその効果についてお聞きしました。

(有限会社 与助丸商店について)

明治期の創業以来、6代に渡って千葉県南房総市であわび・伊勢えびをはじめとする海産物卸や、乾燥なまこ・干しあわびの製造加工をする水産会社。日本でも有数の漁獲地域である南房総で水揚げされた新鮮な魚介類を、東京の豊洲市場をはじめ、全国のホテル・飲食チェーン店などに直送。また、乾燥物メーカーとして独自の製造技術により生産する“乾燥なまこ・干しあわび”は、国内のみならず、世界に向けて納入・輸出されています。

(※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)

■ 老朽化した施設と作業効率の改善を目指し、工場の移転を検討

− はじめに、御社の歴史や旧工場について教えてください。

当社は明治期から100年以上に渡り、ここ千葉県南房総市で水産業を営んできました。社名は、創業者が漁業を始める際、自分の息子「与助」の名をとった漁船の名前「与助丸」を大切に引き継いできたものです。私の祖父の代からは漁業に加えて旅館業もはじめ、1階が生簀(いけす)、2階が客室という構造で、ライブ感を楽しめる、当時としてはユニークな施設でした。

私が高校生のときに旅館業は幕を下ろし、主力事業を卸業や加工業にシフトしていきました。その際、閉館した旅館の建物を加工工場として活用するようになりました。ここ20年はあわびや伊勢海老、さざえなどの磯物をホテルや旅館、飲食店といった得意様先に供給することに加え、干しあわび、乾燥なまこなどを製造加工、輸出する事業を行っています。

− 今回、なぜ工場の新設を考えたのでしょうか。

理由は3つあります。1つ目は建物の老朽化です。建設から50年が経過した旧工場は経年劣化が進み、さらに令和元年に発生した房総半島台風で大きなダメージを受けました。今後、同じ規模の災害が発生したら次は耐えられないかもしれないと、従業員も不安を感じていました。

2つ目は作業効率の問題です。旧工場はもともと旅館として建てられた施設を加工場として使っていたため、加工品を1階から2階に移動したり、工程が滞留した際、置き場所を確保するためにトレーを移動させたりと、余計な移動が多く発生し、とても非効率でした。

3つ目は衛生面です。水産物のみならず食品加工施設の衛生基準が昔に比べて厳格になっていくなか、事業者としてそれに対応していく必要がありました。

■ プロポーザル提案からサポート。営業の対応力と豊富な実績がタカヤを選んだ
  決め手

− 工場の新設にあたり、どのようにタカヤを知りましたか?

タカヤから届いたダイレクトメールでその存在を知りました。その後、展示会でも資料をいただき、2019年に初めてこちらから問い合わせをしました。

− 依頼先としてタカヤを選んだ決め手を教えてください。

まずは営業の方の対応力が印象に残りました。工場新設に向けた構想段階で、どのように進めていくか右も左もわからなかったときから、こちらの意を汲み取り、とても親切にいろいろなことを教えてくださりました。

また、水産加工工場の豊富な施工実績も安心感につながりました。実際にタカヤが施工した岩手県の工場を視察させてもらい、外観のデザイン性や、内部の機能的でありながら、良い意味で“工場らしくないしつらえ”が私の思い描く理想と合致しました。

− ご契約から竣工までのプロセスと、そのなかで感じたタカヤへの率直なご感想をお聞かせください。

今回は旧工場から程近い場所にある市有地が公募になったため、私たちもプロポーザルに参加しました。この段階からタカヤにも、提案資料のアウトラインやイメージ図の作成などにご協力いただきました。

これまでの施工実績も踏まえた魅力の伝わる提案内容と、地場産業を活かした事業展開を強調したことが審査員に刺さったようで、複数の提案のなかから無事に採択されました。

その後、2022年1月から設計を開始。タカヤの設計やインテリアコーディネーターの方と打ち合わせを重ねていきました。外観については、当社のイメージカラーであるネイビーを基調にして欲しいとだけ要望を伝え、いくつか候補を出してもらいました。非常に洗練された提案だったので、デザインについてはほぼお任せで、修正を指示した記憶はありません。

内部のレイアウトについては、こちらから加工作業のプロセスや必要な要件を伝えたうえで、HACCP認証対応と作業動線の効率化を念頭に置いた設計をご提案いただきました。

また、建設に向けて各種補助金の活用や行政への申請方法についてもアドバイスをいただきました。他案件の事例をもとに、「こういった資料を求められる可能性がある」と先回りしていろいろ教えてもらい、大変心強かったです。おかげさまで設計から建設まで大きなトラブルはなく、補助金も活用しながら2022年12月に無事竣工となりました。

■ 使用する機器を変えずに労働効率が30%向上。職場を越え、従業員の心安らぐ
  居場所に

− 竣工から8ヶ月ほど経ちましたが、新工場に対するご感想をお聞かせください。

現在、旧工場は引き続き生簀として使用し、事務所と加工機能を新工場に移設しました。

外観はコーポレートカラーのネイビーを基調に、あわびをイメージした企業ロゴが映えるスタイリッシュなデザインでとても気に入っています。屋根の曲線的なフォルムは、設計の方が、当社が扱うなまこの形をイメージしてくださったそうです。街の雰囲気と調和しながらも程よく斬新さもあり、印象に残りますね。

加工場は、HACCP認証に対応した一方通行のラインが実現できました。干しあわびの加工では、原料チェック、加工、乾燥、選別と、複数の工程を踏みますが、移動と連動して工程が進むため、無駄がなく効率的です。さらに、伊勢えびの加工に伴う冷凍といった工程もワンフロアのなかでラインが分離されていて、衛生性も作業効率も両立できます。

− 動線の見直しにより、具体的にどのような効果がありましたか?

設備は旧工場のものをそのまま引き継いで使っていますが、動線が変わったことで、作業時間はかなり短縮されました。従業員のなかで、自身の健康管理のために万歩計をつけている人が数名いて、その話によると、旧工場と比べて仕事中に計測される歩数が約30%減ったそうです。新工場に慣れるまでは、旧工場のときの感覚で作業スケジュールを立て、「もう終わってしまった」と驚くこともありました。当然重い加工物を1階と2階で上げ下げする必要もなくなり、フロア内の移動も台車でスムーズに行えます。

− 従業員の方の作業負担が減ったようで何よりです。

新しい休憩室・事務室も従業員のお気に入りの場所です。タカヤが得意とする“あえて工場らしくない空間”にしてもらいました。一般住宅の場合、寝室やリビング、ダイニングなど、用途ごとに部屋のしつらえを変えるのは当たり前ですよね。特にこの休憩室は、来客対応だけでなく、従業員の休憩やコミュニケーションの場としても機能しています。座り心地の良い椅子とテーブルに、間接照明が灯るカフェのような空間でくつろげば、仕事にも一層精が出ます。

− 先ほどから小窓の向こう側に従業員の方が見えますが、どの方も笑顔でイキイキ働かれているのが印象的です。

そうですか、気付かなかった(笑)

まさに、休憩室と事務室で気配が感じられるのがいいなと思い、小窓をつけてもらいました。

レイアウトやデザインはほとんどタカヤのインテリアコーディネーターさんにお任せしましたが、そのなかでもいくつかこちらからリクエストしたことがあります。そのひとつが、エントランスです。玄関を入ってすぐのところに、祖父が生前に描いた絵を飾りたくて、それを前提に設計してもらいました。

これは、海の安全と豊漁を願い、海女さんがたいまつを手に夜の海を泳ぐ、南房総市白浜地区の夏のイベント「白浜海女まつり」で行われる「海女の大夜泳」の様子を描いたものです

現在は水産加工業を営む与助丸商店ですが、もともとは一隻の船、与助丸で漁業から始まりました。その初心を忘れないよう、従業員が毎日最初に通るこの場所に、伝統の漁を象徴する祖父の絵を飾りました。タカヤには、そういった我々の心情を理解し、細かなリクエストに応えていただいたことにも大変感謝しています。

− ありがとうございます。今後の御社の展望をお聞かせください。

工場の新設により、衛生的なレベルの高いオペレーションを実現できるようになったので、今後は調理も含むような難易度の高い加工品の生産にチャレンジし、地場の水産品の魅力をより多くの人に伝えていきたいです。

− 最後に、工場の建設を検討している企業経営者の方に向けてアドバイスがあればお願いします。

私のように工場を建てた経験のない経営者にとっては、やはり“間違いのない業者選び”がその成功の鍵を握ると思います。信頼できる業者であるかどうかは、ちょっとしたメールのやりとりの丁寧さやレスポンスのスピードで判断できるかもしれません。タカヤの営業は、若さを活かしたフットワークの軽さや話しやすさ、事業者目線の対応がとても心地よく、依頼する決め手になりました。そして、その選択は間違っていなかったと思っています。

業者を選ぶ際は、ぜひ担当者一人ひとりと向き合ってみてください。

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