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食品工場に潜む事故リスクや労働災害の事例 | 工場老朽化の危険や対策も紹介

食品工場は人の食生活を支える重要な施設ですが、その裏では様々な事故リスクや労働災害の危険が潜んでいます。機械の誤作動、滑りやすい床、重労働による疲労など、現場にはさまざまな危険要因が存在し、実際に事故が起きているのも事実です。
また、特に老朽化した工場では設備の劣化が進み、思わぬトラブルを引き起こすことも少なくありません。では、事故リスクや労働災害を最小限に抑えるためには、どのような対策が必要なのでしょうか。
本記事では、食品工場における事故リスクや労働災害の事例を紹介するとともに、工場の老朽化が引き起こす危険性や、その対策について詳しく解説します。安全な職場環境を維持するために、ぜひ最後までご覧ください。

食品工場で事故や労働災害が起こりやすい理由

食品工場での事故や労働災害は、他の産業と比較して発生頻度が高いとされています。その理由を以下の要素ごとに詳しく見ていきましょう。

食品工場ならではの労働環境

食品工場では、大型の製造機械が多く使用されています。しかし、このような機械の操作は危険が伴い、安全教育の徹底が不可欠です。

また、調理過程で水や油を使うため床が滑りやすく、転倒事故のリスクが高まります。さらに、手作業で行われる工程や刃物を使う場面も多いことから、切創などの怪我の危険性があるのです。このように食品を扱う工場ならではの労働環境が起因しています。

事故・労働災害の対策が不十分

食品工場で事故や労働災害が多発するにも関わらず、その対策が不十分な場合が多いです。特に人手不足が深刻な工場では、安全教育や環境改善にまで手が回らないことがあります。

本来であれば危険箇所を特定し、事故の記録とチェックを徹底することで潜在的なリスクを減少させるべきですが、限られたリソースの中でその実施が難しいこともあります。こうした問題が労働災害の発生を助長していると言えるでしょう。

従業員の特徴も関係

食品工場では、従業員の年齢や経験も労働災害の発生頻度に影響するとされています。40代から60代の作業員が多く、この年齢層の労働災害の割合が高いことがデータでも明らかになっています。

また、待遇や勤務形態、体力的な問題などさまざまな原因によって離職することも多く、従業員の入れ替わりが激しいことも食品工場にありがちです。そのせいか、経験の浅い労働者も事故のリスクが高く、新たな従業員が多い現場では事故や労働災害が起こりやすいことがわかります。

参考:第1章 作業事故実態及び要因分析調査 Ⅱ-5 分野別分析(食品産業)|農林水産省

食品工場で起こりやすい事故・労働災害の事例とその対策

食品工場では、様々な工程において特有の事故や労働災害のリスクが存在します。

以下では、食品工場で特に起こりやすい事故・労働災害の事例を、対策とともに見ていきます。

機械へのはさまれ・巻き込まれ事故

食品工場では、機械へのはさまれや巻き込まれ事故が頻発します。これらの事故は、主に操作ミスや機械管理の不備が原因で発生します。

安全対策としては、作業服を適切なサイズにし、巻き込まれを防ぐ工夫が必要です。また、機械には安全ガードや緊急停止スイッチを設置。異常が発生した際は直ちに作業を中止し、責任者に報告してから再開することが重要です。

転倒事故

食品工場では、転倒事故も頻繁に発生します。主な原因は、滑りやすい床や作業エリアに生じる障害物です。このような環境下では、労働者が床にこぼれた油や水で滑ったり、視認しづらい段差でつまずいたりするリスクが高まります。

安全対策として、床が汚れた際には速やかに清掃し、滑りにくい専用の履物を使用することが求められます。また、施設内の段差や危険区域には標識を設置し、注意を喚起することも重要です。

落下・転落事故

食品工場では、高所作業時に落下や転落事故が発生することがあります。

特に、作業現場に適した安全装備を使用しなかったり、作業環境が不十分であったりする場合に危険が増します。例えば階段での転落事故や、高い棚からの墜落事故が挙げられます。

これを防ぐためには、高所作業に際して安全用具を着用し、適切な踏み台やはしごを使用することが大切です。これに加え、作業場所の安全点検を定期的に行い、設備や装置の安全性を確保することも求められます。

切れ・こすれの事故

食品工場では、鋭利な刃物や機械の切削部により指を切ったり、こすったりする事故も発生しています。事故原因には、手袋を使用していなかった、安全ガードを適切に設置していなかったことなどが含まれます。

これを防ぐためには、カット作業中や機械の清掃時に必ず耐切創手袋を着用し、機械の使用時には安全ガードを適用することが必要です。また、機械の詰まりを除去する際には電源を必ずオフにして行うことで安全を確保することができます。

火傷の事故

食品工場において、火傷は加熱された調理器具や熱湯・高温の油に触れることで起こる典型的な事故です。

これを防ぐためには、耐熱性の保護手袋などを使用することが重要。また、従業員への適切な機器の取り扱い手順の指導も必要であり、これによって火傷事故の発生を抑えることができます。

薬品による事故・中毒症状

食品工場では、消毒液や洗浄剤などの化学薬品を頻繁に使用します。これに関連する事故としては、薬品の取り扱いミスや保護具の不適使用により皮膚や呼吸器が損傷するケースがあります。

事故を未然に防ぐには、正確な使用方法の遵守と、必要な保護具の着用を徹底することが不可欠です。加えて、薬品が飛散や漏洩しないよう、適切な保管と定期的な点検を行い、安全な作業環境を維持することが求められます。

騒音が招く労働災害

食品工場の中には騒音レベルが高く、長時間その下で作業することにより、聴力損失のリスクが存在します。これを防ぐために、イヤーマフや耳栓を使用することが効果的です。

耳栓は非常に小さく紛失しやすい可能性がありますが、金属検出器で検知可能な耳栓や紐付き耳栓を導入することで未然に防ぐことができます。

また、騒音による集中力の低下やコミュニケーションの障害を防ぐためにも、労働環境全体の騒音対策を講じることが重要です。

高温による熱中症や低温による事故

食品工場では、高温環境での作業が続くと熱中症の危険が伴います。また、冷凍庫のような低温環境では低体温症や凍傷のリスクがつきものです。

したがって、高温環境では定期的な水分と塩分の補給、冷却ベストの使用がおすすめ。一方で低温環境においては防寒具の着用が不可欠です。また、冷暖の両極端な環境で作業を行う場合は、適度な休憩を設けることで従業員の負担を軽減できるでしょう。

作業による身体の故障

食品工場における反復作業や重労働は、従業員に無理な動作や過剰な負担をかけ、身体に不調をきたす原因となります。例えば、重い物を持ち上げる際の腰痛や、不適切な姿勢での作業による膝の負傷などです。

このようなリスクを軽減するためには、作業台の高さの調整や補助具の導入を行うことが重要です。

食品工場の老朽化によって起こり得る危険や事故リスク

前項では主に、食品工場の作業中の事故・労働災害のリスクをお伝えしましたが、工場(建物)そのものの老朽化も様々な危険や事故リスクを招く要因となります。

この問題は企業の信用や従業員の安全にも直結しており、無視することはできません。次に紹介するそれぞれのリスクを理解し、適切に対処することが求められます。

異物混入リスク

建物の老朽化は異物混入のリスクを大幅に高めます。年数を重ねて劣化した建物は、自然災害による損壊や雨漏りを引き起こしやすく、壁や天井の材料が剥がれることで生産ラインに異物が混入する恐れがあります。

このような状況は、企業の信頼を損なうだけでなく、生産活動自体にも大きな影響を与えます。そのため、建物が老朽化している場合は、迅速なメンテナンスの実施や建て替えを検討する必要があるでしょう。

衛生面・安全面低下による事故リスク

経年劣化によるひび割れに水分や汚れが入り込むことで、雑菌やカビが繁殖しやすくなり、食中毒のリスクが高まります。

また、滑りやすい床の素材、ひび割れなどにより、従業員が転倒する危険もあります。これらのリスクを未然に防ぐためには、定期的な設備の見直しと改善が必要です。

従業員のモチベーション低下

外観や設備の老朽化は、従業員のモチベーションにも影響を与えることがあります。古い設備での作業は不便であり、職場環境の悪化により不満が募ることで離職率が高まる可能性があるのです。

こうした状況を防ぐためにも、働きやすい環境を提供し、従業員のモチベーションを維持する努力が求められます。

食品工場でとるべき7つの安全対策

食品工場は、衛生管理や安全対策が特に重要な場所です。従業員の安全と製品の安全を両立するためには、いくつかの基本的な対策が必要です。

以下では、食品工場でとるべき7つの安全対策についてご紹介していきます。

5S活動を徹底する

5S活動とは、食品工場での労働の安全性を高めるために欠かせない取り組みです。この活動は「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5つの要素から成り立ちます。

これらを徹底することで作業現場は常に整然と保たれ、事故やトラブルを効果的に防ぐことができます。特に食品製造業では質の高い製品を生産するために、日々の業務において5Sの原則を再確認し、継続的な見直しを行うことが求められます。

関連記事:工場の整理整頓の重要性|5Sの目的やメリットと取り組み方のコツ

KY活動(危険予知活動)の実施

KY活動とは、職場の潜在的な危険を意識し、事故防止につなげるための重要な活動です。この活動では危険な状況をあらかじめ予測し、それに対する対応策を考えます。

たとえば、指差し呼称で確認を行い、ヒヤリハット事例を共有することで、危険箇所を明確にし、作業時の意識を高めることができます。各従業員が積極的に参加することで、より安全な職場環境が実現するでしょう。

リスクアセスメントの実施

リスクアセスメントは、現場に潜む危険をあらかじめ特定し、適切な対策を講じるためのプロセスです。労働災害を未然に防ぐためには、まず危険性や有害性を洗い出し、それらに対するリスクを評価することが重要です。

評価の結果に基づいて、優先度の高いリスクから対策を実施し、改善結果を記録することで、常にリスク管理を改善することができます。

ヒューマンエラー防止対策

ヒューマンエラーは、さまざまな要因によって引き起こされることが多く、特に食品工場ではその影響が大きいため、防止対策は欠かせません。具体的には、先に挙げたKY活動やヒヤリハット活動を通じて、作業中の危険予兆をいち早く共有し、安全意識を高めることが求められます。

また、定期的なパトロール活動により現場を見回すことで、潜在的なリスクを早期に発見し、対処することができます。

設備・機械の定期メンテナンス

食品工場において、設備や機械の適切な運用は生産活動の基盤です。定期的なメンテナンスを行うことで、故障や劣化による思わぬ事故を防ぐことができます。

具体的には、動作確認や部品の交換、清掃などを定期的に実施することが重要です。また、メンテナンス履歴をしっかりと記録し、問題が発生した場合にはすぐに対処できる体制を整えることで、安全で安定した生産活動を行えるでしょう。

働きやすい労働環境整備

労働環境の改善は、従業員の安全性と生産効率を高めるための重要な要素です。

企業は、従業員が働きやすい環境を提供するため、現場の意見をしっかりと聞き入れ、そのフィードバックを基に環境改善を図ることが求められます。

特に温度管理や適切な換気、十分な照明など、細かい部分まで労働環境を整えることで、従業員はより安全かつ快適に業務に取り組めるようになります。

従業員への安全教育の徹底

食品工場では、特に安全教育を通じて、自らの作業がどのように製品や自身の安全に影響を与えるかを理解してもらうことが重要です。そのため、従業員への安全教育の徹底は欠かせません。

教育内容には、実際の災害事例の映像や労働災害の疑似体験を取り入れることで、より実感を持って学べる環境を整える工夫が求められます。

食品工場の老朽化やそれによる事故を防ぐための4つの対策

次に、食品工場が老朽化対策として取り組むべき4つの具体的な方法について解説します。

これらの対策により、食品の安全性を確保するとともに、労働環境の改善も図ることができるでしょう。

HACCPを導入する

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)の導入は、食品工場における安全対策の基本です。2020年6月から義務化されたHACCPは、食品製造工程に潜むリスクを特定し、そのリスクを管理・低減するための手順を設定します。

特に、HACCP対応の床材の使用などは、滑りにくさや汚れの溜まりにくさから、従業員の安全を確保し、異物混入などのリスクを軽減する役割を果たします。

HACCP対応工場を作る際には、専門的な知識が求められるため、HACCP対応が可能な工場建設の業者や専門家のサポートを受けることをおすすめします。

ファクトリアのHACCP施工事例①:最適な作業動線の計画やエリアごとの床の塗分けでHACCPの運用をサポートする事例

ファクトリアのHACCP施工事例②:効率を考えた動線設計+交差汚染に配慮したHACCP対応の事例

ファクトリアのHACCP施工事例③:HACCP対応の水産加工工場!最適な動線計画とフードディフェンスを徹底、省エネルギーで快適な作業環境を実現した事例

その他の事例:工場建設・工場建築のファクトリアの施工実績一覧

設備を新しいものに入れ替える

設備の更新は、食品工場における老朽化対策の重要なステップです。老朽化した設備は、安全性の低下だけでなく、生産効率の悪化も招きます。

例えば、金属部分の腐食やチェーンの摩耗など、日常的な点検で早期に発見できるようにすることが重要です。適切なタイミングでの設備更新は、安全性を向上させると同時に、法令や事業拡大に合わせたアップデートも可能にします。

補助金の活用も視野に入れ、計画的に設備を刷新することを心掛けましょう。

工場の改修・修繕、リノベーションを行う

リノベーションは、食品工場の老朽化に対する解決策として有効です。単なる修繕ではなく、もともとの性能を向上させ省エネや生産効率のアップといった付加価値を提供します。

既存の建物や土地を使用することで、コストを抑えつつも新しい機能を付与できる点が魅力。外装や構造の劣化を補修するだけでなく、安全性や耐久性の向上も図れるため、工場の環境改善に大きく貢献します。

工場の建て替えを行う

老朽化対策の最終手段として、工場の建て替えがあります。これは大規模なプロジェクトとなるため、その目的を明確にすることが非常に重要です。

新しい施設には最新鋭の設備を導入し、生産効率を向上させたいというニーズが出てくることが多いですが、計画の目的が明確でないとスムーズに進まないこともあります。

建て替えにあたっては工場建設のプロと計画を精査し、必要な設備や規模を見極めることで理想的な施設を実現することが可能です。

食品工場の事故・労災防止策、労働環境改善ならファクトリアにお任せください

食品工場の安全対策や労働環境の改善は、従業員の健康と生産性を守るだけでなく、企業の信頼にも直結する重要な課題です。事故や労災を防ぐためには、設備や作業環境の見直し、適切な動線設計、衛生管理の徹底など、総合的な対策が求められます。

しかし、専門知識なしに適切な対策を行うのは難しいもの。そのようなときにはぜひ、工場建設のトータルブランドサービスである私ども【ファクトリア】にご相談ください。

企画・設計段階から安全性を考慮した工場建設を行うとともに、豊富な経験と専門知識をもとに、お客様の工場に最適な安全対策をご提案いたします。「安心・安全」で「働きやすい」工場づくりは、ぜひファクトリアにお任せください。

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