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工場の改修・改善

工場の床の基礎知識|種類別の特徴・掃除の方法など【塗装・シート・タイル】

工場の床は、作業効率を高めたり安全性を確保したりするために重要な意味があります。そのため適切な床材・施工方法を選ばなくてはいけません。また新しく建設する工場でもすでに稼働している工場でも、機能を維持するためにはメンテナンスを考慮する必要があります。

この記事では、工場の床の仕上げ方の種類の紹介と、それぞれの特徴、メリット・デメリット、基本的な掃除の方法を解説します。自社工場の床をどうするか検討されているご担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。

工場の床の仕上げ方

工場の床は一般にコンクリートで作られますが、表面の仕上げ方にいくつか種類があります。まず床の仕上げ方の種類を紹介します。具体的には次の3種類があります。

 ・ 塗床(ぬりゆか)

 ・ 長尺シート

 ・ タイル

現在の主流は塗床と長尺シートです。それぞれの概要について1つずつ見ていきましょう。

床|塗床

コンクリートの床に塗装を施すことを「塗床」(ぬりゆか)といいます。塗床は多くの工場で採用されている仕上げ方法です。光沢のあるグレーやグリーンに塗られた床をよく見かけるのではないでしょうか。

塗装の材料は床専用のものを使い、使用環境や用途によって使い分けます。工法も外壁などとは全く異なり、コテ・ローラー・刷毛などで塗り付けます。工法は塗り厚にも関係があり、床材と同様に工法・塗り厚も用途によって使い分けることが必要です。

床|長尺シート

塩化ビニールでできたシートを長尺シートと呼び、長尺シートを床に貼る仕上げ方法もあります。塗床とともに採用例が多い仕上げ方法です。工場以外にもマンションの共用部などでの施工例も多いので、見たことがあるかもしれません。

「長尺シート」は、ほかにも「ビニル床シート」「塩ビシート」などと呼ばれることがあります。いろいろな機能の製品が用意されており、用途に合わせて使い分けます。耐荷重性・耐動荷重性があり、土足や台車などを使用しても問題ありません。

床|タイル

食品工場や化学工場など、水や薬品を使う工場ではタイルが採用されることもあります。近年はタイルの施工例は減っていますが、機能性の高い製品も開発されており、そういったタイルで仕上げるケースがあります。

タイルを床の上から敷くだけで接着しない簡易的なタイプもあり、修復代わりに採用されることもあります。

塗床の種類

塗床はいろいろな分け方がありますが、まず「厚膜型塗床」と「薄膜型塗床」に分けることができます。厚膜型塗床は塗り厚1mm以上50mmまで、コテで施工されます。材料はエポキシ樹脂・ウレタン樹脂などが多く使われます。薄膜型塗床はローラー・刷毛で施工し、エポキシ樹脂・ウレタン樹脂・アクリル樹脂などが使われます。

素材(床材)は無機系・有機系に分かれます。無機系は衝撃や火に強いため、自動車の生産工場や溶接場など重量車両が行き来したり火を扱う場所に向いています。有機系は水や薬品に強いため食品工場やクリーンルームなどに適しています。

床材ごとに特徴があり、それぞれに適した工法があります。場所に合わせて使い分けることが必要です。床材と工法は、「使用する場所」「イニシャルコスト」「ランニングコスト」のバランスで選ぶとよいでしょう。

塗床のメリット

塗床のメリットとしては、まず床の耐久性と強度が向上することが挙げられます。コンクリートは削れたりしやすいものですが、塗床にすることで削れや破損が起こりにくくなります。その結果ホコリが立つことの防止にも役立つため、品質管理にもプラスとなります。

またひび割れ・凹凸・削れの防止になるほか継ぎ目もなく、転倒などの事故を予防することができます。また継ぎ目がないことや発塵防止になることは掃除のしやすさにも役立ちます。安全かつ衛生的な労働環境を作ります。

そのほか床材は製品によってさまざまな機能があるため、場所に適した床材を選ぶことで長期的に見ると作業効率にもプラスとなります。床材により機能が高まり、余計な手間が不要となるからです。

さらに比較的低コストでの施工ができるというメリットもあります。

塗床のデメリット

塗床のデメリットとしてはまず、細かい傷や油汚れは取り切れないことがあります。また、フォークリフトのタイヤ跡などがついてしまうなど、きれいな状態を長い間保つのは難しい点も挙げられます。経年劣化していくので、定期的な塗り直しが必要となります。

また床に物を落とした場合などの衝撃や、台車やフォークリフトなどの摩擦によって剥がれが生じる可能性もあります。

さらに機能性優先のため、見た目のバリエーションにはやや乏しいということも挙げられます。ゾーニングで色を塗り分けることはあっても、模様などがあるわけではなく基本的に単色で仕上げます。そのため美観はそれほど期待できません。

長尺シートの種類

長尺シートは塩化ビニールでできていますが、機能性を高めるためにガラス繊維の層を加えたり表面をコーティングしたりしたものもあります。

用途に応じていろいろな機能のタイプが用意されています。たとえば、耐荷重性・耐摩耗性・耐薬性・耐油性・耐熱性の向上や、帯電防止などの機能があります。長尺シートは、床を濡らさず乾いた状態で使用する場所に適しています。

なお長尺シートを「リノリウム」と呼んでいることもありますが、長尺シートとリノリウムは厳密には違うものです。どちらもシート状ということは共通していますが、長尺シートが塩化ビニール製なのに対してリノリウムは天然素材で作られたシートのことを指します。素材が異なります。

長尺シートのメリット

長尺シートのメリットとしては、使用環境にもよりますが一般に耐久性が高いことが挙げられます。塗床の耐久年数が10年程度とされるのに対し、長尺シートは10~20年とされます。塗床の2倍長持ちすることが期待できるということです。

またすでに述べたように機能性が高くさまざまなタイプがあるため、用途に応じたシートを選ぶことによって床に求められる機能をプラスすることができます。また貼り方がしっかりしていれば、均一な品質・機能を得ることが可能です。

そのほか、デザイン性が高い製品も増えつつあります。見学者が多い工場など美観にプラスとなるほか、そこで作業する従業員にとってもモチベーションが上がることが期待できます。

長尺シートのデメリット

長尺シートのデメリットとしては、まず塗床よりイニシャルコストがかかることが挙げられます。そのぶん耐久性が高いので費用と耐久年数のバランスを見ることが大切ですが、1回の費用は高くなってしまいます。

また施工する職人によって美観に差が出るというデメリットもあります。シートそのものの均質性は高いのですが、継ぎ目の溶接加工や床面との圧着などに技術の違いが現れる場合があります。

そのほか巻いた状態で納品されるため、シートに巻き癖がついていることがあります。その場合は仮敷きして巻き癖を取らなくてはなりません。さらに床の形状が複雑な場合、作業がしにくいというのもデメリットと言えます。急激な温度変化があると寸法も変化しやすくもあり、総じて床の形状や寸法に合わせるために扱いに注意が必要です。

タイルの種類

タイルの素材には、磁器質・せっ器質・陶器質・土器質などがあります。また、釉(うわぐすり)を使用しているかどうかによって、施釉(せゆう)タイルと無釉(むゆう)タイルとに分かれます。工場内の床にタイルを採用する場合は、施釉タイルが主に使われます。

そのほか天然石と樹脂を合わせたタイルやセラミック製の製品、材料がゴムや長尺シートと同じく塩化ビニル製で、形状がタイル型になっている製品もあります。

さらにゴムや塩化ビニル以外の場合、成形・焼成方法・吸水率による分類もあります。素材や仕上げにより機能や用途が大きく異なるため、場所に合わせた素材選びが求められます。

タイルのメリット

タイルのメリットとしては、材質にもよりますが防滑性能が高いことが挙げられます。また吸水性が低いので水を使う工場に向いています。さらに耐酸性が強いというメリットもあり、その特徴を生かして薬品工場などで使用されることもあります。

施釉タイルの場合は汚れにくく掃除しやすいのもメリットです。衛生的な環境を守りやすいこともあり、食品工場などでの採用例があります。

さらにゴム製や塩化ビニル製のタイルには、タイル同士をはめこんで敷き詰めるタイプがあります。そういったタイプは容易に設置することができるというメリットがあります。

タイルも素材によって特徴やメリットが異なるため、施工する場所の使用方法や状況に合わせて適切なタイルを選ぶことが大切です。

タイルのデメリット

タイルのデメリットとしては、まず目地のモルタルが痩せてタイルが剥がれたり欠けたりすることが挙げられます。その結果、タイルの破損部分に水が溜まってしまいます。

さらに目地とタイル面で凹凸ができるため、つまずいたりする可能性もゼロではありません。破損してしまった場合はなおさらです。

近年はタイルを採用する例が減っており、古くなったタイルの床も表面を塗床仕上げにする例が増えてきています。その場合、タイルの上から施工する方法とタイルを剥がして施工する方法の両方があります。

床の掃除方法

床の掃除方法について、床の種類別にまとめます。以下の場合について解説します。

 ・ ウェット式

 ・ ドライ式

 ・ その他ポイント

基本的な流れはウェット式・ドライ式いずれも同じです。床の種類の簡単な解説も含めて具体的な手順をまとめます。1つずつ見ていきましょう。

床の掃除方法|ウェット式

「ウェット式」とは、濡れることが前提で、排水口がついていて水を流せるタイプの床のことをいいます。「ウェットシステム」「ウェット方式」などとも呼ばれ、清掃方法を指すこともあります。ウェット式を掃除する場合、以下の手順で行います。

まずゴミやほこりをほうき・ちりとりで掃き取ります。次に床に洗剤を撒いてなじませ、油を浮かせます。油が浮いたらブラシやモップでこすり洗いします。さらに水で汚れを洗い流したら、ワイパーで水気を切って乾かします。

機械を使う場合も基本の順序は同じです。掃く・こする・流す・水気を切るの順で行います。

床の掃除方法|ドライ式

「ドライ式」は、排水口が設置されておらず乾いた状態で使用する床のことです。こちらも「ドライシステム」「ドライ方式」と呼ばれることもあり、清掃方法を指すこともあります。ドライ式を掃除する場合は、次の手順で行います。

まずゴミやほこりをほうき・ちりとりで掃き取ります。次に、モップに洗剤をなじませておき、床の汚れをこすり洗いします。汚れを落としたらきれいなモップで水拭きします。さらに乾いたモップで水気を拭き取ります。

機械を使う場合は、ゴミを掃き取ったあとにモップの代わりに自動洗浄機を使って汚れを落とします。汚水は洗浄しながら回収されるので、最後にモップで乾拭きして乾かします。

床の掃除方法|その他ポイント

その他のポイントとしては次の点が挙げられます。以下のポイントは、ウェット式・ドライ式どちらにも共通して当てはまります。

まず、初めの掃き掃除をしっかり行うことが大切です。油汚れがこびりついている場合は、スクレーパーで削っておきます。洗剤は工場油を分解できるアルカリ性洗剤を使用しましょう。

モップの替糸部分の素材は純綿・化学繊維・混紡があり、繊維によって特徴に違いがあります。混紡は水拭き・ワックスがけ両方に使えるほか耐久性もあり、使いやすいと言えるでしょう。ワックスがけに使うことがなければ純綿がおすすめです。

床の表面が凹凸のない仕上げの場合はほこりなど溜まりにくいため、掃除しやすいというメリットがあります。また床の仕上げによっては、清掃の回数が少なくて済んだり掃除しやすかったりする場合もあります。いずれの場合も汚れをそのままにしておかず、清潔に保つのが床を長持ちさせるコツです。汚れた場合はまめに掃除するのがおすすめです。

工場は床も大切

既存の床を塗装したりシートを張り替えたりすることは、耐久性を高めたり機能を向上させたりするなどさまざまな面でプラスとなります。作業内容など場所に合わせて仕上げ方や床材を選ぶことが大切です。施工の効果を高めることができます。

ただし工場全体が老朽化した場合は、工場自体を建て替える必要があります。建て替えは床に限らず、建物全体の機能性を高めることができます。建材選びからレイアウト決定まで、さまざまな点で望ましい労働環境と高い生産性を備えた工場にすることが可能です。

建て替えを検討する場合は、当社にまずご相談ください。【ファクトリア】は快適な作業環境を実現し、企業価値を高める工場を目指す「工場建設のトータルサービスブランド」です。床に限らず、機能・デザインなどあらゆる面で従業員の満足度の高い工場・倉庫の建築が可能です。

 

まずはお気軽にお問い合わせください。

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