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工場の改修・改善

工場を自動化せよ!メリット・デメリットのほか作業別具体例や進め方を解説

工場のDX化「スマートファクトリー」などとのかかわりで、工場の自動化の必要性が叫ばれています。工場の抱える問題を解決するためにも、工場の自動化は有効だと言えます。

この記事では、工場の自動化について、メリット・デメリット、作業別の具体例や導入の進め方について解説します。企業のご担当者様はぜひ参考にしてみてください。

導入は難しい?工場の自動化とは

自動化した工場を「ファクトリーオートメーション(FA)」と呼びますが、FAを実現する具体的な手段について解説します。ここでは以下の3つに分けてまとめます。

・ロボット

・IoT

・その他

1つずつ確認していきましょう。

ロボット

産業用ロボットにより、人が行っていた作業を自動化する方法があります。主な産業用ロボットとしては、次のような種類が挙げられます。

・垂直多関節ロボット…人間の腕に近い構造で複雑な動作が可能。汎用性が高く用途は多様

・スカラロボット…水平移動用の回転軸と上下方向の動作アームを持つ。真上からの作業向きで組立に適している

・パラレルリンクロボット…リンク(骨)が並列に並んでおり、クレーンゲームのように天井から吊るして使用。軽量物のピッキングなどに向く

・直交ロボット…2~3個の直交するスライド軸からなり、軸に沿って直線上を動く。低価格でありながらさまざまな用途に使用が可能

ロボットはハード面で自動化する方法です。AI技術などソフト面の自動化と連携させることで、高度な作業を自律的に行うことが可能になります。

IoT

IoTは「Internet of Things (モノのインターネット)」の短縮形で、モノをインターネットで接続して情報を交換する仕組みを指します。工場で言えば、各種機器やセンサーなどをインターネットで接続し、自動的に監視したり管理・分析を行ったりすることです。

システムなどソフト面の自動化に該当します。自動化の範囲を広げるためには必須となる技術です。

その他

その他にも、工場の自動化を支える技術があります。

まず「5G(第5世代通信)」があります。スマートフォンのキャリアでも名前を聞くようになった通信方法で、高速大容量・低遅延・多接続という点が特徴です。中でも「ローカル5S」は企業が独自に設置することができ、工場の自動化に役立つと期待されています。

さらに「人工知能」を指す「AI」もよく聞く言葉でしょう。工場では設備のメンテナンスや検査など作業の自動化、需要の予測や生産計画など生産管理の自動化などに役立ちます。

工場自動化のメリット

次に、工場を自動化することのメリットについてまとめます。具体的には次のような点が挙げられます。

・人材不足の解消

・生産性の向上

・製品の品質の安定化

・作業環境の改善

1つずつ見ていきましょう。

メリット|人材不足の解消

まず、自動化は人材不足の解消に役立ちます。人が行っていた作業を機械が行うことで、作業のための人材が少なくて済むようになるからです。その結果、従来より少ない人材で工場を稼働させることが可能になります。

さらに、自動化が新たな求職者からの応募につながる可能性もあります。製造業はきついイメージがあり敬遠されがちです。しかし自動化によって労働環境が改善されると、きつい作業がなくなったり残業や休日出勤がなくなったりします。労働環境が改善されていると求職者に伝わることで、応募者が増えることが期待できます。

メリット|生産性の向上

自動化は生産性の向上にもつながります。

まず、工場の稼働率を上げることができます。人間は休憩が必要ですが、機械は長時間稼働することができ、メンテナンスを除けば365日24時間稼働できるからです。

また作業の品質・スピードも安定するため、ロスの減少などにつながります。さらに従来作業に当たっていた人材を、より付加価値の高い業務に配置することも可能です。

これらにより生産性が向上することが期待できます。

メリット|製品の品質の安定化

自動化は製品の品質の安定化ももたらします。機械に作業させることにより、ヒューマンエラーを排除することが可能です。さらに機械は同じ動作を同じように反復して行います。これら2つの理由により、品質が安定化します。

品質が安定化することによって検査の省力化やロスの削減などが実現され、生産性の向上ももたらされるでしょう。

メリット|作業環境の改善

さらに自動化は作業環境を改善することにもなります。重量物を扱う作業や危険な作業、単純作業の反復などを自動化することで、作業員は過酷な作業をしなくて済むようになるからです。企業にとっては労災のリスクも減らすことができます。

さらに作業環境だけでなく全体的な労働環境・労働条件も改善することが可能です。生産性が向上することや機械が長時間稼働することにより、作業者の労働時間が短縮されます。その結果、残業や休日出勤が不要となります。そのほかリモートでの作業も可能になり、労働環境がより柔軟なものとなるでしょう。

工場自動化のデメリット

工場の自動化はメリットが多くありますが、デメリットもあります。具体的には以下のような点が挙げられます。

・導入・運用のコストが高い

・故障のリスクがある

・一定のスペースが必要

・専門的な知識のある人材が必要

1つずつ確認していきましょう。

デメリット|導入・運用のコストが高い

まず、導入・運用のコストが高いことが挙げられます。導入のためのイニシャルコストが必要です。設備が低価格化しつつあるとはいえ、とくに複数台導入するとさらにコストがかかります。また電気代やメンテナンス費用など、ランニングコストも必要となります。

ただし導入により大きなメリットも得られるので、必要なコストだけでなく費用対効果を考慮すべきでしょう。

デメリット|故障のリスクがある

また自動化は機械を利用するだけに、故障のリスクを排除できません。自動化後は生産計画が高い生産性を前提したものとなるので、稼働できなくなった時のリスクは大きいと言えるでしょう。復旧の手順や、緊急時に生産を止めない手だての策定と周知徹底が必要です。

ただし自動化という目的に沿うように、マンパワーに頼りすぎることなく自動的な監視システムなどにより予防することが大切です。

デメリット|一定のスペースが必要

さらに一定のスペースが必要なのもデメリットです。機械が大型だったり機械の稼働にスペースが必要だったりして、人間が作業するより広いスペースが必要なケースも多くあります。そのため人間が行っていた作業を自動化する場合は、スペースが不足する可能性があります。

その場合、レイアウトや工程の変更も検討しなくてはなりません。希望の設備の導入はあきらめなくてはならないこともありえます。狭いスペースで使用できるシステムを導入するなどして対応する必要があります。

デメリット|専門的な知識のある人材が必要

自動化で作業を行う人材は少なくても済むようになりますが、自動化技術を管理する人材が必要になります。その点もデメリットです。

具体的には、ロボットの動作条件の設定と微調整を行う「ティーチング」を行う人材、メンテナンスや保守を行う人材などが必要になります。外注する方法もありますが、人材が不足しており思うように確保できない可能性があります。

工場の自動化の例

自社に自動化を導入する場合について、作業別にポイントや具体例を解説します。ここでは次の作業についてまとめます。

・組立

・検査

・出荷

・日報

1つずつ確認していきましょう。

自動化の例|組立

組立の自動化は、ヒューマンエラーが起こりやすい作業・危険度が高い作業・熟練度で個人差が出る作業を優先的に検討しましょう。完全に自動化する方法と半自動化して人間も一部の作業を行う方法の2つがあります。

機械は多くのメーカーがオーダーに合わせて設計・製造してくれます。そのほか、スムーズに自動化するために工程やレイアウトを見直したり、製品の設計を変更したりすることも検討しましょう。

自動化の例|検査

一般に検査の自動化は難しいとされています。熟練した作業員の経験や技術に頼る部分が多いためです。とくに多品種の検査にはあまり向きません。自動化する場合は、精度や処理速度などの問題もあります。そのため、すべての検査作業を自動化しようとせず、人力と機械をどう組み合わせるか考える方が現実的です。

機械の導入においては、自社製品向けにカスタマイズする必要があるのを理解しておく必要があります。また、綿密にシミュレーションして費用対効果を検討しておきましょう。

自動化の例|出荷

出荷の作業を細分化すると、梱包、パレタイズ、ピッキング、検品などの作業があります。いずれも自動化が可能です。事実、物流業界では人海戦術からの脱却としてこれらの作業の自動化が進められています。

ロボットを導入すると大規模になりますが、人力と組み合わせると比較的リーズナブルに自動化を進めることができます。たとえば検品ならハンディターミナルやタブレットを使用するなどの方法があります。

自動化の例|日報

日報の自動化は、日報作成者の負担軽減に加えてデータベースの構築という点でもメリットがあります。

日報作成を自動化すると、人力による記入ミスなどなしに製品の品質や稼働を正確に記録することが可能です。また手書きの日報を転記する必要なしに集計・分析することができ、作成だけでなく管理も省力化が可能になります。こうしてより正確なデータベースとして活用でき、問題発見や改善に有益です。

また、省力化というよりペーパーレス化という文脈で語られることも多くあります。日報の自動化は、管理用のツールが多数提供されています。

工場自動化の進め方

次に、実際に工場を自動化する際の手順・進め方についてまとめます。以下の手順となります。

① 課題の抽出と優先順位策定

② 自動化の対象と手段決定

③ 導入と効果の検証

④ 改善と効果の再検証

⑤ 自動化する対象の拡大

スモールスタートでPDCAを回し、ノウハウを得てから範囲を拡大するのが基本姿勢です。1つずつ解説します。

進め方①課題の抽出と優先順位策定

まず初めに、課題を抽出して解決すべき優先順位を決めます。

解決方法は意識せずに、課題となっている工程をピックアップしましょう。その中で解決すべき優先順位を検討します。企業によりポイントは異なるかもしれませんが、一般には以下のような工程の優先順位が高くなるでしょう。

・ロスが発生している

・ミスが多発している

・作業員の危険度が高い

・作業員の習熟度で品質にムラができる

この検討作業をしっかり行うことで、方針や目指すゴールが明確になります。

進め方②自動化の対象と手段決定

次に、自動化する対象を選定してどのような手段で自動化するかを決めます。

自動化を導入した場合の費用対効果などを計算し、①の優先順位と比較しつつ導入の対象となる工程を決定します。初めは、自動化に向く工程から導入してノウハウを得るのがおすすめです。

単純作業や反復する作業、統計・分析作業などが自動化に向いています。優先順位の高い工程の中にそのような作業がないかチェックしましょう。あるいは本丸となる課題の前に、共通点のある小さな課題で成功体験を積んでおくという考えもあります。

なお一度に多くの工程を自動化するのは避けた方が無難です。リスクヘッジのためスモールスタートとしましょう。

工程・作業を決定したら、自動化に適した手段(システム)を検討、選定します。見積もりを取ったり、メーカーや専門知識のある人に相談しながら選定しましょう。

進め方③導入と効果の検証

自動化する工程と手段を決めたら、いよいよ実際に導入します。導入に際しては、あらかじめ現場への説明や教育、新しいポストの準備などを行っておきましょう。とくにその作業のベテランは人員削減などの不安を感じるケースもあるからです。

現場の理解を得てから導入し、一定期間稼働させたら効果を検証します。自動化しやすい工程は効果を得やすいでしょう。またすでに述べたように自動化の範囲を狭めておくと、効果測定しやすいほかリスクヘッジになります。

進め方④改善と効果の再検証

効果が芳しくない場合など、必要に応じて問題点の改善を行います。改善の手段は自由な発想で検討しましょう。設備を現状に合わせて解決するほか、課題を設備に合わせることで解決できる場合もあります。

たとえば、組立作業の自動化で問題がある場合を考えてみましょう。設備を改善するという方法もありますが、製品の設計や工程を変更して、自動化した設備で組み立てやすくする方法もあります。両面から検討しましょう。

改善してみたら、さらに効果の再検証を行います。PDCAを繰り返してブラッシュアップしていきます。

進め方⑤自動化する対象の拡大

課題を解決してノウハウが得られたら、優先順位と知見・コストなどのバランスを見ながら自動化する工程を拡大していきます。

設備をトータルで見たときにちぐはぐ・つぎはぎにならないよう、システム同士の連携など全体の最適化も意識しつつ拡大していくことが大切です。人材の育成など、ソフト面の向上も同時進行で行いましょう。

自動化対応の工場建築ならファクトリアへ

これまで見てきたように、既存の工場の設備部分を変更することでも自動化に対応できます。しかしスペースやレイアウトの問題が起こることもあります。

設備導入の費用対効果や建物の築年数などにもよりますが、リセットして新しい工場にするのも選択肢の一つでしょう。その方が高い効果を得られることも少なくありません。

工場建設を検討するなら、わたくしども「ファクトリア」にご相談ください。ファクトリアは設計から施工までワンストップで対応するため、実際に稼働したときのノウハウを設計に反映させることができます。ご興味おありならお気軽にお問い合わせください。このページの最上部と最下部に電話番号とお問い合わせフォームのボタンがあります。そちらからご連絡ください。

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