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工場に関する費用・コスト

工場の省エネルギー施策のアイデアまとめ|管理・運用と機器導入に分けて解説

環境問題への意識の高まりに伴い、工場で省エネに取組むことが従来よりも強く企業に求められるようになっています。工場において節約すべきエネルギーは、主に石油やガスなどの燃料、電気、熱です。エネルギー使用量の削減や、再利用・有効活用などを行うことが必要です。

この記事では工場での省エネのアイデアを中心にまとめつつ、利用できる補助金についてもご紹介します。企業のご担当者様はぜひ参考にしてください。

工場で省エネ施策を行うべき理由

工場で省エネの施策を行うべき理由としては、大きく次の3点が挙げられます。

・経費削減

・CO2削減

・企業イメージの向上

昨今、電気代・燃料代が高騰しています。企業活動を安定させるためにも、製造コストを下げることが必要です。

また世界的に脱炭素の流れが強まっています。CO2削減に取り組むことは企業としての社会的責任の1つであり、省エネ法を順守することにもつながります。さらに現在は炭素税負担増の議論も行われており、将来的にはコスト面にも影響があるでしょう。

さらに省エネ対策は企業イメージ向上にも役立ちます。SDGsへの意識の高まりなどに伴い、環境問題に取り組む企業は肯定的に評価されます。評価は投資にもつながります。そのため環境問題への取り組みは、企業のイメージ向上とそれに伴う投資の獲得という経営面でも有益です。

上記のような理由により、工場でも省エネルギー施策に取り組むことが求められています。

省エネのアイデア|管理・運用

省エネの方法のうち、設備を大幅に変えることなく管理や運用で対応できることをまとめます。以下の2点が挙げられます。

・設定を変える

・契約先・契約内容を変える

1つずつ見ていきましょう。

【管理・運用】設定を変える

設備を稼働・運転させるとき、設定を変えることでエネルギーを節約できます。設備ごとに見ると、具体的には次の設定の見直しが省エネにつながります。

・ボイラー…燃焼空気比、運転圧力

・工業炉…燃焼空気比

・エアー/コンプレッサー…吐出圧、台数制御装置のパラメータ設定

・空調・冷凍庫など…温度設定

それぞれの設定について必要最低限の数値を確認し、現在の設定と比較しましょう。現在必要ない水準の設定になっている場合は、ムダが生じていることになります。適切な値に変更することで電気や燃料を節約することができます。

【管理・運用】契約先・契約内容を変える

主に電気になりますが、契約している電力会社や契約内容の切り替えによって電気代や使用量を節約できる場合があります。

ただし電力については新規参入の企業が倒産していることも問題になっています。倒産後再び契約先を切り替えることを余儀なくされ、かえって料金が高くなるケースもあります。変更は慎重に行いましょう。

省エネのアイデア|省エネ機器の導入

次に、導入すると省エネにつながる機器について設備別にまとめます。以下の設備について解説します。

・自家消費型太陽光発電

・エアー/コンプレッサー

・空調

・ボイラー

・工業炉

・照明

1つずつ見ていきましょう。

【省エネ機器の導入】自家消費型太陽光発電

まず、自家消費型太陽光発電の導入が挙げられます。工場の屋根などにパネルを設置し発電する方法です。電気料金削減とCO2削減に役立ちます。とくに工場の屋根はまとまった面積があるため、太陽光発電に向いています。

ただし、太陽光発電は省エネ効果が高い反面、導入費用も高いのが一般的です。そのためイニシャルコストが導入の障害になるケースが多くあります。

その解決となる選択肢として、最近は初期投資が不要な「PPAモデル」もあります。PPAモデルは、敷地や建物のスペースをPPA事業者に無償で貸与する代わりに、PPA事業者が無償で太陽光発電設備を設置・維持管理・電気を供給する仕組みです。電気代を払う必要がありますが、契約期間が終わったら設備を譲り受けたり期間延長したりすることが可能です。

【省エネ機器の導入】エアー/コンプレッサー

エアーやコンプレッサーについては、以下のような設備を導入する方法があります。

・インバータ…周波数の異なる交流を発生させることで、モーターの回転数を制御する装置。回転数を調節することにより省エネ効果がある

・レシーバタンク…空気タンクのこと。空気の安定供給につながるほか吐出圧力を下げることが可能になり、省エネになる

・ルーツブロワ…コンプレッサーの種類。ふだん使用している圧力が10~100kpa程度なら導入した方が省エネになる

・遮断弁…ユーザーラインごとに設置することで空気漏れの防止に役立つ

そのほかのコンプレッサーの設備に関する施策としては、配管中のバルブの選定・配管サイズの適正化・エレメントの交換などが挙げられます。

【省エネ機器の導入】空調

空調で省エネに役立つ設備には次のものがあります。

・流体攪拌(こうはん)装置…配管の中の乱流を抑えたり冷媒を攪拌したりして抵抗を軽減する。配管に挿入するだけで使用可能で、冷暖房の効率が大幅に改善

・全熱交換器…換気の際に、排出する空気の熱や湿度を回収して取り入れた空気に戻す機械。温度を変えずに換気することが可能になり、エネルギーを節約できる

・空調管理システム…温度調節を自動化し、過度な冷暖房を抑制

とくに液体攪拌装置は、安価ながら15~30%の電力節約が可能とされています。高性能な空調機に交換するよりも少ない時間・労力・コストで運用が可能です。

【省エネ機器の導入】ボイラー

ボイラーに利用できる省エネ設備は以下の通りです。

・排熱回収装置(ヒートポンプ)…排水や空気の廃熱を回収して温水や熱風に活用する

・省エネ燃焼システム…効率の良いタイプのボイラー。ドラム内に吹き込む空気が過剰にならないよう制御したり、排ガス保有熱を効率的に燃焼空気に伝達したりできるタイプ

・ガス式のボイラー…CO2排出量の多い石油や石炭から天然ガスを燃料としたボイラーに交換することで、CO2排出量を削減可能

・ドレン回収システム…結露した蒸気「ドレン」を回収してボイラー給水に利用する。また過剰なドレンは蒸気機関の効率低下につながるのでその抑制にも効果あり

ヒートポンプは、廃熱が発生している設備ならボイラー以外にも活用できます。

【省エネ機器の導入】工業炉

工業炉向けの省エネ設備には以下のものがあります。

・リジェネレイティブバーナー…2つのバーナーがセットになっているタイプ。片方が燃焼している間にその排ガスでもう片方が蓄熱し、それにより余熱用の燃料が節約できる

・ガス式の炉…石炭や重油よりもCO2排出量を削減可能。今後は水素やアンモニアなど脱炭素燃料の活用も実用化が待たれる

・廃熱回収装置(ヒートポンプ)…ボイラーと同様、廃熱を温水や熱風に活用

工業炉はエネルギー消費量が多いため、対策することによって燃料費やCO2排出量を大きく削減することが期待できます。

 【省エネ機器の導入】照明

照明では、以下の設備導入で電気の使用量と費用を抑制できます。

・LED照明…消費電力が少なく寿命が長い。イニシャルコストがかかるが、ランニングコストや交換の労力が削減できる

・照明制御機器…タイマーや人感センサーなど、点灯が不要なタイミングで消灯する機械

・デマンド管理システム…最大電力(デマンド値)を設定しておき、使用量がそれに近づくと警告するシステム。使用電力が見える化され、電力管理がしやすくなる 

作業効率を下げないよう、照明を暗くするよりはムダをなくす方向で検討しましょう。

省エネのアイデア|その他の取り組み

運用管理や設備導入以外の取り組みについてまとめます。以下の方法があります。

・遮蔽・遮断

・断熱

・時間短縮

・清掃・点検

主に、効率を高めるための環境を整備する取り組みです。1つずつ見ていきましょう。

【その他の取り組み】遮蔽・遮断

まず、主に室温を保つために外気や日光を遮蔽・遮断するという方法があります。

たとえば空調に外気が入らないようにするために、ビニールカーテンで外気を遮断したり作業範囲に仕切りを取り付けたりするなどの取り組みが考えられます。

日光対策の具体的な方法は、日射を避けるカーテンやブラインドを窓に設置したり、夏場は空調の室外機にすだれをかけたりするなどです。日光の影響で高温になるのを防ぐことができます。

こうした取り組みで外気や日光の影響を遮ることによって、空調の効率が改善されます。

【その他の取り組み】断熱

次に紹介するのは、せっかく加熱・冷却した温度を逃さないため、あるいは放射熱が空調に影響するのを防ぐために建物や設備を断熱する取り組みです。

たとえば、屋根・壁に断熱塗装を施したり、窓に断熱フィルムを貼ったりすることで空調の使用電力を節約することができます。

また工業炉・ボイラー・配管などを断熱・保温したり、より小規模なものでも発熱する機器を断熱材を設置したりすることによって放熱遮断する方法があります。

そういった取り組みを積み重ねることで、建物の保温性や設備運用・空調の効率を高めることが可能です。

【その他の取り組み】時間短縮

次は、設備の稼働時間を短縮することでエネルギーを節約する取り組みです。シンプルな方法ではありますが、ムダの排除に有効です。稼働させる設備の数を減らすことも、延べ時間の短縮につながります。とくに効率のよい設備を優先的に使うようにすれば、さらに高い効果が期待できます。

使わない照明をマメに消すなども時間短縮の一環です。そのほか見落としがちな時間短縮の例としては、空調を終業の少し前に切ることが挙げられます。

 【その他の取り組み】清掃・点検

清掃や点検も基本ながら必須の取り組みです。

設備・機械やその部品などを清掃することによって、より効率的・効果的に機械や設備を運転させることができます。とくに空調の熱交換器やフィルターなどを清掃すると効率が大きく向上・改善します。

さらに定期的に点検することにより、問題の早期発見と解決が可能です。必要に応じて消耗品など交換すれば効率アップにつながります。とくに効率にかかわる場所・内容は、ボイラーの蒸気漏れや配管の空気漏れなどです。

清掃・点検は安全の維持にも役立つので、手を抜かずに行いましょう。

省エネにかかわる補助金

省エネのために設備を導入したりする場合、利用できる補助金もあります。具体的には次の2つです。

・省エネルギー投資促進に向けた支援補助金

・脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業

上記のほかにも、自治体による補助金も多数存在します。一度自社の地域について調べてみましょう。ここでは上記の2つについてまとめます。

補助金|省エネルギー投資促進に向けた支援補助金

「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」は通称で、正式には「先進的エネルギー投資促進支援事業費補助金」といいます。資源エネルギー庁省エネルギー部(上部組織は経済産業省)による補助金制度です。

この支援補助金は2030年(令和12年)までの期間限定事業となっています。なお2023年度は、それ以前の複数年度事業が対象で、新規事業の募集はありませんでした。2024年度以降については、関係省庁の最新の情報をご確認ください。

◆目的

国内での省エネ設備の導入を積極的に促すことで、消費エネルギー削減(2030年までに原油換算で2,155万キロリットル)を実現することとされています。

◆対象

資源エネルギー庁省エネルギー部によれば、以下の事業が対象となっています。

・先進事業…省エネ・非化石エネルギーへの転換のための先進的な設備の導入事業

・オーダーメイド事業…個別設計が必要な設備の導入

・指定設備導入事業…省エネ性能がある特定の設備への更新

・エネルギー需要最適化対策事業…、EMS制御や高効率設備導入、運用改善を行う取組

なお繰り返しになりますが、2023年(令和5年)度は新規事業の公募はありませんでした。

◆条件

全業種の法人および個人事業主となっています。

◆交付額

補助率は対象の事業と企業の規模によりますが1/4から2/3、上限額も事業によりますが最大20億円となっています。

補助金|脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業

「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」は、環境省による補助金です。省エネ型自然冷媒機器を導入するために必要となる経費の一部を補助するものです。冷凍冷蔵設備のある食品工場などの建設に利用できます。

◆目的

名称の通り、エネルギー起源二酸化炭素やフロン類の排出の抑制が目的となっています。

◆対象

低炭素や脱フロンに役立つ冷凍冷蔵倉庫・食品製造工場、食品小売店舗におけるショーケースその他の脱炭素型自然冷媒機器を導入する事業とされています。

◆条件

冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場及び食品小売店舗であることが条件です。

◆交付額

補助率は原則1/3以下となっています。

省エネ対応の工場建築ならファクトリアへ

既存の工場でも設備を変えれば省エネにつながりますが、新しい工場を建設する方が細かいところまで対策できます。何と言っても建物自体の省エネ効率を高めることができるのは、既存の工場の改修や設備交換にはない大きなメリットです。

工場の建設なら、私ども「ファクトリア」にご相談ください。ファクトリアは、快適な作業環境を実現し、企業価値を高める工場を目指す「工場建設のトータルサービスブランド」です。設計・施工一括サポートにより、快適さと省エネルギーを両立させた工場建設が可能です。デザインにもこだわりがあり、「働きたくなる工場」を目指しています。

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